ガーデンシクラメン育て方初心者向け冬でも咲かせる管理方法
ガーデンシクラメン育て方初心者の方がまず知りたいのは、ガーデンシクラメンとは?という基本情報と、季節に沿ったガーデンシクラメンの育て方の全体像だと思います。
本記事では、日当たりと水やりの重要性をわかりやすく整理し、開花を左右する肥料の与え方とタイミング、発生しやすい病気・害虫の管理法まで順序立てて解説します。
さらに、庭に植える場合の実践ポイントであるガーデンシクラメンの地植え、鉢で楽しむためのガーデンシクラメン鉢植えのコツ、長く楽しむためのガーデンシクラメンの植えっぱなしの可否と注意点、そしてガーデンシクラメンの花が終わったら行うべき手入れまで、迷いがちな場面を一つずつ解消します。
初めてでも失敗を減らし、冬から春にかけての花をしっかり咲かせるための道筋が見えるはずです。
- 季節ごとの水やりと日当たりの基準
- 肥料設計と与える適切な頻度と量の考え方
- 地植えと鉢植えの具体的な違いと手順
- 花後の手入れと夏越しまでの管理手順
ガーデンシクラメン育て方初心者の基本
- ガーデンシクラメンとは?
- ガーデンシクラメンの育て方
- 日当たりと水やりの重要性
- 肥料の与え方とタイミング
- 病気・害虫の管理法
ガーデンシクラメンとは?

ガーデンシクラメンは、冬季でも屋外で楽しめるように改良されたシクラメンの系統です。
秋に植え付けると、冬から春にかけて長く花を咲かせ、赤・ピンク・白など多彩な花色に加え、丸弁やフリル咲きなど表情の違いも楽しめます。一般的なシクラメンより寒さへの耐性が高く、暖地では戸外管理と相性がよいのが特長です。
育て方の前提として、直射日光と過度な湿気は苦手です。日当たりは「よく日の差す場所」よりも、冬は日当たりがよく風通しの良い場所、夏は明るい日陰へ移すと株への負担が減ります。用土は水はけの良さが鍵で、市販の草花用培養土に軽石やパーライトを少量混ぜると、根が呼吸しやすくなります。
植え付けは浅植えが基本です。球根(塊茎)の「肩」を少し見せるイメージで、深く埋め込まないことがポイントになります。深植えは蒸れやすく、花付きが落ちる原因になりやすいため避けます。水やりは土の表面が乾いてから、朝のうちに株元へ静かに与え、花や葉に水をかけないようにします。受け皿に溜まった水は必ず捨てると、根腐れの予防につながります。
開花期間中は、咲き終わった花や黄変した葉を根元からひねって取り除くと、株の中に空気が通り、次の花芽に養分が回りやすくなります。灰色かび病のような湿度が原因のトラブルも、こまめな花がら摘みと風通しの確保で抑えやすくなります。冬の冷え込みが厳しい地域では、軒下に移動したり、不織布で一時的に覆ったりして霜から守ると安心です。
植え付けの深さや環境については、海外の園芸機関でも共通する考え方が示されています。たとえば、Royal Horticultural Societyは、よく排水する土に浅めに植え、過度な夏の湿りを避ける管理を推奨しています。これらの要点を押さえると、初心者でも冬の彩りを長く楽しめます。
ガーデンシクラメンの育て方

園芸初心者でも取り組みやすいのが、季節に合わせた管理のリズムをつくることです。植え付けの合図は秋の気温低下で、9〜11月が適期とされています。土は水はけを重視し、市販の草花用培養土に腐葉土や軽石(またはパーライト)を少し混ぜると、根が呼吸しやすい環境になります。植え付けの際は根鉢を崩さず、球根(塊茎)の肩が1〜2cm見える浅植えが基本です。深植えは蒸れや根腐れの原因になりやすいため避けます。
置き場所は、秋から春は日当たりと風通しの良い戸外が向いています。冬の冷え込みが強い地域では、霜の直撃を避けられる軒下や、暖房が効きすぎない明るい室内に一時的に移動すると安心です。日照が不足すると花数が減り、葉が徒長しやすくなるため、可能な範囲で日照時間を確保します。強い直射日光と多湿は弱点なので、真冬の晴天時の急な乾燥や、雨ざらしの連続に注意してください。
水やりは「表土が乾いたら朝に株元へ」が迷いにくい基準です。花や葉に水がかからないよう静かに与え、受け皿に水が溜まったままにしないことが大切です。秋〜春は乾湿の波が大きくなりすぎないようにし、夏は休眠に入ることがあるため、雨の当たらない明るい日陰で乾かし気味に管理します。地植えの場合は、根付いた後は極端な乾燥時のみ補水する程度で足りるケースが多いです。
肥料は「控えめに、継続的に」を合言葉にします。植え付け時に緩効性の元肥を少量混ぜ、開花期は薄めの液体肥料を10〜14日に一度を目安に与えると、花持ちが安定します。与えすぎは徒長や根傷みの原因になりやすいため、葉色や花つきの様子を見ながら濃度と間隔を調整してください。固形肥料を置くときは、球根に直接触れない位置に置くと安全です。
日常管理では、咲き終わった花や黄変した葉を根元からひねって外す「花がら摘み」が役立ちます。株の中心部に空気が通り、灰色かび病などのトラブルを抑えやすくなります。春先はアブラムシがつくことがあるため、葉裏の目視確認をこまめに行い、見つけたら早めに取り除くか、適合する薬剤で対処します。過湿環境を避け、株間の風通しを確保することが、病害虫の抑制につながります。
夏の管理は二つの方針があります。断水してしっかり休ませるドライ法、もしくは乾いたら最小限の水を与えるウェット法です。どちらの方法でも、直射日光と雨を避け、通気の良い半日陰で管理します。秋に涼しくなって葉が動き出したら、古い土を落としすぎない範囲で植え替えるか、用土の表面を入れ替えてから元肥を少量入れ、通常管理に戻します。
日当たりと水やりの重要性

花つきや株の姿は、光と水の管理で大きく差が出ます。日照が足りないと花芽の数が減り、葉だけが間延びしたように伸びやすくなります。
- 秋から春は、できる限り日の当たる屋外で管理し、風が抜ける場所を選ぶと健やかに育ちます。
- 真夏は高温でストレスがかかるため、直射日光を避けた明るい日陰へ移動すると負担を減らせます。
- 室内に取り込む場合は、レースカーテン越しの明るい窓辺など、光量と通気の両立を意識してください。
水やりは季節でメリハリをつけるのが失敗を減らす近道です。秋〜春は、土の表面が乾いてから朝のうちに株元へたっぷり与えます。花や葉に水がかかると傷みや病気の原因になるため、注ぎ口を土面に近づけて静かに与えるのが安心です。受け皿の水は必ず捨て、根が常に水に浸からないようにします。夏は休眠傾向になり、過湿が腐敗を招きやすくなるため、雨の当たらない場所で乾かし気味に保ちます。
- 地植えは根付いた後、降雨だけで十分な場面が多くなりますが、極端な乾燥が続くときは午前中に補水します。
- 鉢植えは乾きやすさが環境で変わるため、「鉢を持ったときに軽い」「指で2〜3cm押して土が乾いている」など、実際の状態を確かめてから与えると過不足を避けられます。
- 球根(塊茎)そのものに水をかけないことがトラブル回避の要となります。
- 過湿のサインは、土がいつまでも湿っている、葉が黄変して元気がない、花がうなだれる、といった形で現れます。
- 水切れは葉の張りがなくなり、土表面が白っぽく乾いて軽くなるのが目安です。迷ったときは「乾いてから与える」を基本に、環境に合わせて間隔を微調整してください。
- 冬の晴天日でも、凍結の恐れがある夜間前の潅水は避け、朝に与えると冷え込みの影響を受けにくくなります。
雨ざらしが続くと灰色かび病などのリスクが上がるため、長雨期は軒下や簡易の雨よけを活用すると効果的です。鉢同士を詰めすぎず、葉が触れ合わない距離を保つと、乾きが均一になり病害も抑えやすくなります。以上のポイントを押さえると、花期を通して花色と花数が安定し、株姿も乱れにくくなります。
肥料の与え方とタイミング

花色や花持ちを安定させるには、少しずつ継続して養分を補う考え方が役立ちます。植え付け時は緩効性の元肥を控えめに混ぜ、土全体に均一に行き渡らせます。元肥が多すぎると芽や根が軟らかく伸びすぎて倒れやすくなるため、推奨量の下限から始めると安全です。根鉢は崩さず、球根に肥料が直接触れないように植え付けると、肥料焼けの心配を減らせます。
開花期に入ったら、薄めた液体肥料を10〜14日に一度の目安で与えます。希釈倍率は製品表示に従い、まず薄めの濃度からスタートします。葉色が淡く花数が少ないときは間隔を短くする、逆に葉が濃緑で徒長気味なら間隔を広げるなど、株の様子で微調整すると過不足を避けやすくなります。与えるタイミングは朝の水やり後が扱いやすく、乾いた用土に高濃度の肥料液を注ぐことは避けます。
夏の高温期は生育が鈍り、根がダメージを受けやすくなるため施肥は中止します。雨の当たらない明るい日陰で乾かし気味に管理し、秋に気温が下がって葉が動き始めたら、緩効性の元肥を少量補い、再び薄い液肥を間欠的に再開します。鉢の大きさや株の充実度で吸い上げ量が変わるため、小鉢や若い株は特に慎重に始めるとトラブルが起きにくくなります。
固形肥料を置く場合は、株元から少し離して土面に置き、球根や若い芽に触れない位置を選びます。置き肥は水やりや降雨で徐々に溶け出すため、追加のタイミングは表示されている有効期間を参考にしつつ、葉色や花上がりを確認して過不足を見極めます。液体肥料と置き肥を同時に強く効かせると与えすぎになりやすいので、どちらか一方を主軸にして併用は控えめにします。
肥料過多のサインとして、葉がやたらと大きく柔らかくなる、節間が間延びする、土表面が白く固まる、といった変化が現れます。反対に不足の目安は、葉色が抜けて花数が伸びない、蕾が小さいまま止まる、といった状態です。いずれも急な濃度変更は避け、まず希釈倍率や施肥間隔を小刻みに調整します。水はけの悪い用土や低温時は肥料が効きすぎることがあるため、季節と用土の状態も合わせて判断します。
病気・害虫の管理法

トラブルの多くは、湿度と風通しのバランスが崩れたときに起きます。鉢同士を詰めすぎず、株の中心に空気の通り道をつくる意識があるだけで、発生率は目に見えて下がります。水やり後の蒸れや長雨の放置は要注意で、雨天が続く時期は軒下や簡易の雨よけを活用すると予防効果が高まります。
灰色かび病(ボトリチス)は、花弁や葉に水がかかったまま冷えたとき、あるいは枯れた花が株内に留まったときに広がりやすく、花や葉が褐変し、灰色の粉状カビが見られることがあります。まずは発生源を作らないことが肝心で、咲き終わった花や黄変葉を根元からひねって除去し、濡れた花弁が触れ合わない環境を整えます。症状が出た部位は早めに取り除き、廃棄して再感染を防ぎます。用土は水はけ重視にし、受け皿の水をためないことで、根域の過湿を抑えられます。
アブラムシは春先の柔らかい新芽を好み、汁を吸うことで葉が縮れたり、べたつく甘露がカビを呼んだりします。早期発見が対策の近道です。週に一度は葉裏を点検し、少数であれば手や水流で物理的に除去します。数が増え始めたら、園芸用途で適合する薬剤(ラベルにアブラムシ対象と記載のあるもの)を使用します。周囲の雑草に寄主が潜むこともあるため、鉢周りを清潔に保つことも有効です。
根腐れは見えない場所で進行しやすく、葉がしおれる、花首が弱る、土のにおいが気になるといったサインで気づくことがあります。原因の多くは過湿と低温の組み合わせです。水やりは「表土が乾いてから朝に株元へ」を守り、花や葉にかけないよう静かに与えます。冬は凍結時間帯を避け、朝のうちに済ませるとダメージが少なくなります。
予防の基本は、〈風通しの確保〉〈過湿の回避〉〈清潔な株元〉の三点です。鉢の置き方を変えて空間をつくり、花がら・枯葉をこまめに外し、雨天が続く時期は屋根のある場所へ移動します。新しく迎えた株は数日別置きにして、害虫の持ち込みを避ける配慮も役立ちます。病害の発生メカニズムと湿度管理の重要性については、研究機関でも解説されています(出典:農研機構 灰色かび病の基礎知識)。
薬剤を使う場合は、対象害虫・病気、使用濃度、使用間隔などのラベル表示を必ず確認し、周囲環境や散布時刻にも配慮します。薬剤に頼りすぎず、環境整備と早期発見を軸にした管理へ切り替えると、総合的な被害を低く抑えやすくなります。
ガーデンシクラメン育て方初心者の実践
- 地植えのコツ
- 鉢植えの基本
- 植えっぱなしの注意
- 花が終わったら
地植えのコツ

庭で長く花を楽しむには、植える場所と土作りを最初にしっかり整えることが近道です。日当たりは冬に十分な光が得られる位置を選び、風が通り抜けることも意識します。雨が溜まりやすい低地や、水はけの悪い粘土質のままの場所は避け、必要に応じて小高い畝やレイズドベッドにして根域を湿らせすぎないようにします。霜が強い地域では、朝日の当たる軒先や壁際など、放射冷却の影響を受けにくい微地形を選ぶと凍害のリスクを減らせます。
土作りは水はけ重視が基本です。庭土を軽く耕し、腐葉土を3〜4割、軽石またはパーライトを1割ほど混ぜて通気性と排水性を高めます。事前に「排水テスト」として、植え穴に水を張り30分〜1時間で引くか確認すると安心です。引きが遅い場合は軽石などの無機質素材を増やし、地表にも薄く敷いて泥はねと過湿を抑えます。
植え付けの適期は9月下旬〜11月です。根鉢は崩さず、球根(塊茎)の肩が見える浅植えにし、株間は10〜15cm空けて風が通る隙間を確保します。深植えは蒸れや根腐れの原因になりやすいため避けてください。植え付け後は一度しっかり潅水し、以降は表土が乾いてから株元に与えます。降雨が続く季節は雨よけを設置すると、灰色かび病の予防に役立ちます。
寒冷地では、不織布やベタがけ資材で一時的に覆う、株元にマルチングを施すなどの霜よけを組み合わせると花傷みを抑えられます。強い冷え込みが予想される夜間は、二重被覆や一時的な鉢上げ(掘り上げて鉢に仮植えして軒下へ移動)も選択肢です。春先の管理は、花がらと枯葉をこまめに取り除き、株の中心に空気を通すことで、病害の拡大を抑えやすくなります。
施肥は控えめを心がけ、植え付け時に緩効性の元肥を少量、開花が進む時期は薄めの液体肥料を様子を見ながら与えます。過湿や過肥は徒長や根傷みのもとになるため、葉色と花上がりを目安に微調整してください。初夏〜夏は雨の当たらない明るい日陰に移し、乾かし気味に保つと球根のトラブルを避けやすくなります。
日常のチェックポイントとして、土がいつまでも湿っていないか、葉が密になりすぎていないか、葉裏にアブラムシがいないかを観察します。問題が小さいうちに手を打つほど、見栄えと健康状態を両立しやすくなります。
地植えと鉢植えの管理比較(目安)
| 項目 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 植え付け適期 | 9〜11月 | 9〜11月 |
| 水やり頻度 | 根付けば少なめ | 表土乾いたらたっぷり |
| 霜対策 | 不織布・マルチ | 軒下移動・室内取り込み |
| 肥料 | 元肥+開花期に追肥 | 元肥+液肥10〜14日毎 |
| 夏越し | 明るい日陰で乾かし気味 | 雨避けし乾かし気味 |
鉢植えの基本

鉢で育てると、日当たりや水量、温度の管理がしやすく、コンディションを安定させやすくなります。最初の準備として、購入した株より直径で二回り大きい鉢を選び、底には鉢底石を敷いて排水路を確保します。用土は市販の草花用培養土をベースに、通気が不足しそうな場合は軽石やパーライトを少量混ぜると、根が呼吸しやすい環境になります。植え付けは浅植えが基本で、球根(塊茎)の肩を少し見える程度にして深く埋めないことが、蒸れや根腐れの予防につながります。
株の安定を図るため、植え込む際は根鉢を崩しすぎないように扱います。元肥は緩効性タイプを控えめに土へ混ぜ、球根に直接触れない位置に配置します。固形の置き肥を後から使う場合も、株元から少し離して置くと肥料焼けのリスクを避けられます。植え付け直後は鉢底から水が流れ出るまでしっかり潅水し、その後は「表土が乾いてから朝に株元へ」というリズムを守ると、根の負担が小さくなります。受け皿に溜まった水は必ず捨て、根が常に濡れた状態にならないようにします。
置き場所は、秋から春は日当たりと風通しの良い戸外が基本です。夜間の冷え込みが強い日や霜の予報がある日は、軒下や屋内の明るい窓辺へ一時的に移動すると花傷みを抑えられます。室内で管理する場合は、暖房の風が直接当たらない位置を選び、急激な乾燥や温度変化を避けます。真夏は高温で弱りやすいため、雨の当たらない明るい日陰に置き、乾かし気味の管理に切り替えると球根のトラブルを防ぎやすくなります。
日常の手入れでは、咲き終わった花と黄変した葉を根元からひねって取り除く「花がら摘み」が効果的です。株の中心に空気の通り道ができ、灰色かび病などの湿度由来のトラブルを抑制できます。葉の込み合いが強いときは、周囲の鉢との間隔も見直し、風が抜ける配置にすると乾きが均一になり、病害の発生率を下げられます。アブラムシは春先の柔らかい新芽につきやすいため、ときどき葉裏を点検し、少数なら手や水流で除去し、増え始めたら表示に従って適合薬剤で対処します。
施肥は「控えめに、継続的に」が目安です。生育や開花が進む時期は、薄めの液体肥料を10〜14日おきに与え、真夏の高温期は施肥を止めます。葉色が濃すぎて徒長ぎみなら間隔を広げ、逆に葉色が淡く花数が伸びないときはやや間隔を詰めるなど、株の様子に合わせて微調整してください。
最後に、鉢替えのタイミングの目安として、根が鉢底から多く出る、潅水してもすぐ乾く、株のボリュームに鉢が見合わない、といったサインが挙げられます。無理に大きすぎる鉢へ移すと土が乾きにくくなるため、ひと回りか二回り大きいサイズへ段階的に更新すると、根張りと水分管理のバランスを保ちやすくなります。
鉢サイズと管理の目安(参考)
| 株の目安 | 鉢径 | 水やり | 施肥 |
|---|---|---|---|
| 小株(9cmポット) | 12〜15cm | 表土乾いたら | 液肥2週ごと薄め |
| 中株(10.5〜12cm) | 18〜21cm | 同上 | 同上 |
| 大株 | 24cm以上 | 同上 | 同上 |
植えっぱなしの注意

同じ場所で育て続ける場合は、根の居心地と季節ごとの環境変化に気を配ることが長持ちの分かれ道になります。植えっぱなしでも夏越しは可能ですが、数年経つと球根が大きくなり根詰まりしやすく、十分な酸素や養分が行き渡らなくなります。目安として、地植えは2〜3年に一度、鉢植えは年1回の植え替えや用土更新を検討すると、衰えや病気を予防できます。
夏の管理には、断水してしっかり休ませるドライ法と、乾いたら最小限だけ与えるウェット法があります。高温多湿の地域や雨が多い環境では、雨に当てない明るい日陰でのドライ法が腐敗リスクを下げやすく、ウェット法を選ぶ場合でも「乾かし気味」を徹底します。いずれの方法でも、直射日光と長時間の蒸れを避け、通気を確保することが基本です。秋に涼しくなって葉が動き始めたら、水やりと施肥を段階的に再開し、生育モードへスムーズに移行させます。
冬は暖地でも、強い霜や放射冷却の朝に花が傷むことがあります。軒下への一時移動や、不織布での被覆、株元のマルチングなどを組み合わせると、花茎の損傷を抑えられます。風が強く乾燥した日も花が傷みやすいため、風当たりの緩和と日照の確保をバランスよく考えます。
植えっぱなしを続ける際は、日常の小さな手入れが次季の立ち上がりを左右します。咲き終わった花や黄変した葉は根元からひねって除去し、株内の風通しを保ちます。受け皿の水をためない、雨期は簡易の雨よけを使うなど、過湿回避を徹底すると、灰色かび病や根腐れの発生率を下げられます。肥料は控えめを基本に、開花期のみ薄い液体肥料を継続して補うと過不足を避けやすくなります。
更新の目安として、次のサインが複数当てはまる場合は植え替えや株分け(可能な場合)を検討します。土がいつも湿りがちで乾きにくい、潅水後すぐにしおれる、花茎が細く花数が減る、鉢底穴から根が密に伸び出している、などです。鉢替えは一回りまたは二回り大きいサイズに留め、急に大きすぎる鉢へは移さないと、水の滞留を避けやすくなります。
ガーデンシクラメン 花が終わったら

花期が一段落したあとの手入れは、その年の状態を整えるだけでなく、次の季節に向けた体力づくりにもつながります。まず取りかかりやすいのが、花がらと古い葉の整理です。咲き終わった花茎は根元をしっかり持ち、軽くひねりながらまっすぐ引き抜くと清潔に外せます。ハサミで切ると切り口が残り、そこから雑菌が入るおそれがあるため、手で摘み取る方法が安全です。黄変した葉や傷んだ葉も同様に根元から外し、株の中心に空気の通り道を確保します。
花がら摘みと並行して、日照と通気を見直します。春以降は気温の上昇で蒸れやすくなるため、鉢同士の間隔を少し広げ、雨が続く日は軒下へ移動します。水やりは表土が乾いてから朝のうちに株元へ与え、受け皿の水を放置しないことが基本です。濡れた花弁や枯れた茎が株内に残ると灰色かび病の発生源になりやすいため、見つけ次第こまめに除去します。
夏の管理は環境に合わせて方針を選びます。高温多湿の地域や雨の多い環境では、ドライ法(断水してしっかり休ませる)を選ぶと球根の腐敗リスクを抑えやすくなります。明るい日陰で雨を避け、完全に乾かした状態を保ちます。比較的涼しく乾燥した環境では、ウェット法(乾いたら最小限の潅水)でも管理できますが、常に「過湿にしない」を優先します。いずれも直射日光は避け、通気の良い置き場を確保してください。
秋に気温が下がり、新しい葉が立ち上がってきたら休眠明けの合図です。用土の表面が劣化している場合は新しい培養土に入れ替えるか、古い表土を軽く落としてから元肥を少量混ぜ、浅植えの姿勢を保って植え直します。根鉢は極力崩さず、球根の肩が少し見える高さに整えると、その後の蒸れと根腐れを避けやすくなります。施肥は薄めの液体肥料を間欠的に再開し、株の様子を見ながら間隔と濃度を微調整します。
点検時に球根が柔らかくブヨブヨしている、異臭がある、花茎が細く立ち上がらないなどのサインが複数重なる場合は、回復が難しいケースがあります。無理に潅水量を増やすと悪化しやすいため、原因が過湿にあると考えられるときは用土の更新や置き場の見直しを優先します。花後の整理や夏の乾かし気味の管理、秋の浅植えと水はけ重視といった基本は、園芸機関でも推奨されているアプローチです(出典:Royal Horticultural Society「Cyclamen: growing guide」)。
最後に、来季へ向けての小さな習慣を加えます。週に一度の葉裏チェックでアブラムシの早期発見に努め、雨期は簡易の雨よけを活用して過湿を避けます。これらの積み重ねが、次のシーズンの花数や花持ちの差となって現れます。丁寧な後始末と季節ごとの切り替えを意識すると、安定したリズムで花を楽しめます。
ガーデンシクラメン育て方初心者のまとめ
- 植え付けは秋の浅植えで球根の肩を見せて管理する
- 日当たりと風通しを確保し過湿と直射の両方を避ける
- 水やりは表土が乾いてから朝に株元へ与える
- 受け皿の水は都度捨てて根腐れの誘因を取り除く
- 元肥は控えめにし開花期は薄い液肥を継続する
- 花がらと枯葉は根元からひねって早めに除去する
- 灰色かび病は蒸れで出やすく風の通りで抑制する
- アブラムシは葉裏を点検し早期発見で被害を抑える
- 地植えは腐葉土と軽石を混ぜ水はけと通気を両立する
- 鉢植えは二回り大きい鉢で底石を敷いて植え付ける
- 霜の強い日は不織布や軒下移動で花傷みを予防する
- 夏は雨避けの明るい日陰で乾かし気味に管理する
- 植えっぱなしは数年で生育低下し植え替えが有効となる
- 鉢は一年ごと地植えは二三年ごとの更新で健全を保つ
- ガーデンシクラメン育て方初心者でも手順で長く咲かせる




