ドライガーデンとは?植物や石の選び方と基本知識を初心者向けに解説

ドライガーデンは、水やりの手間を減らしつつスタイリッシュな庭を作れる人気のガーデンスタイルです。砂利や石を活用し、乾燥に強い植物を植えることで、管理の負担を軽減できるのが特徴ですが、適切な土の選び方や冬の水やりの工夫が必要な点もあり、しっかりとした作り方を押さえておくことが重要です。
本記事では、ドライガーデンに適した石や植物、土のポイントを解説し、メリットとデメリットを踏まえながら、美しい庭を維持するためのコツを紹介します。
- ドライガーデンの特徴や魅力について理解できる
- ドライガーデンに適した植物や石の選び方がわかる
- 土の配合や冬の水やりのポイントを学べる
- ドライガーデンのメリットとデメリットを把握できる
ドライガーデンの基本知識
- ドライガーデンとは?特徴と人気の理由
- ドライガーデンに適した植物とは?
- ドライガーデンに使われる石の種類と選び方
- 最適な土の条件とは?
- メリットとデメリットを解説
ドライガーデン特徴と人気の理由

ドライガーデンとは、乾燥地帯に自生する植物を主体とした庭のスタイルで、近年人気が高まっています。特に水やりや手入れの手間を抑えつつ、スタイリッシュで個性的な空間を作れる点が魅力です。
Ⅰ. 自然の風合いを活かしたデザイン
- 都市部では、水やりの頻度を減らせることがメリットとなり、忙しいライフスタイルの人々にも適しています。
- 雑草の生えにくい環境を作れることから、管理の負担を軽減できます。
Ⅱ. 好みに合わせたスタイルを
- 砂漠の風景を再現したエキゾチックなスタイルや、西海岸風のリゾート感のあるデザインや、和風の枯山水を取り入れた落ち着いた庭など、幅広いアレンジが可能です。
- 石の配置や植物の選び方次第で、異なる雰囲気を楽しむことができるため、自宅の外観やライフスタイルに合わせた設計ができます。
Ⅲ. 環境への配慮につながります
- 乾燥に強い植物を中心に植栽することで、水の使用量を抑えられるため、特に水資源が限られた地域では非常に有効です。
- 砂利や石を使用することで、土壌の浸食を防ぎ、地面の温度を調整する効果も期待できます。
Ⅳ. シンプルで洗練された美しさ
- 直線的なレイアウトや、モノトーンの石材を使うことでモダンな印象を演出したり、自然な曲線を生かした配置でナチュラルな雰囲気を作り出したりすることができます。
- 植物の色合いを工夫することで、より個性的な庭に仕上げることが可能です。
このように、ドライガーデンは単に水やりが少なくて済む庭というだけでなく、デザインの幅広さや環境への配慮、メンテナンスのしやすさなど、さまざまな魅力を持つ庭のスタイルです。そのため、忙しい現代人にとっても、美しい庭を手軽に維持できる優れた選択肢となるでしょう。
ドライガーデンに適した植物

ドライガーデンに適した植物は、基本的に乾燥に強く、水分を蓄える能力が高い種類が選ばれます。
代表的なものとして、アガベ、ユッカ、サボテン、アロエ、多肉植物などが挙げられます。
これらの植物は根が深く張るものも多く、水分を長期間保持する性質があります。
① アガベ
アガベは大きく広がる葉と独特のフォルムが特徴で、庭のアクセントとしても適していて、さまざまな品種があり、大きく育つものからコンパクトなものまで選択肢が豊富です。
② ユッカ
ユッカは縦に伸びる形状でスペースを取らず、限られたスペースでも存在感を発揮します。
③ サボテン
サボテンは種類によっては寒冷地でも育てられるため、地域ごとの気候に応じた選択が可能で、特に柱サボテンは耐寒性があり、日本の気候にも適応しやすいとされています。
④ グランドカバー
ドライガーデンには地面を這うセダムなどの多肉植物も有効です。これらの植物は乾燥に強く、グランドカバーとして活用することで、土の乾燥を防ぐだけでなく、庭のデザイン性を高める役割も果たします。
⑤ 樹木
オリーブやミモザのような樹木もドライガーデンに適しています。これらの樹木は比較的乾燥に強く、シンボルツリーとしても活用できます。
⑥ スタイリッシュ形状
ドライガーデンの植物には、ニューサイランやダシリリオンのようなスタイリッシュな形状のものもあります。これらの植物は葉のラインが美しく、モダンな雰囲気の庭にぴったりです。
⑦ 熱帯的雰囲気
ドラセナやコルジリネなど、熱帯的な雰囲気を持つ植物を取り入れることで、よりエキゾチックなガーデンデザインを実現できます。
このように、ドライガーデンに適した植物は多種多様であり、それぞれの特性を理解して組み合わせることで、より美しく機能的な庭を作ることができます。
石の種類と選び方

ドライガーデンでは、植物とともに石が重要な要素となります。適切な石を選ぶことで、より自然な雰囲気を演出し、庭全体のバランスを整えることができます。
代表的な石としては、みかも石、岐阜石(チャート石)、ブラウンロック、マーブルロック(天草石)などが挙げられます。
Ⅰ.石の選び方
- 石を選ぶ際には、庭全体のデザインを考慮し、色合いや形状を決めることが大切です。
- ゴツゴツとした岩を配置することでワイルドな印象を与えたり、滑らかな石を使うことで落ち着いた雰囲気を演出することができます。
- 大小の石をバランスよく配置することで、より自然な景観を再現することができます。

Ⅱ.石の種類
- 石の種類によってドライガーデンの印象を変えることができます。
- 黒や灰色の火山岩を使うことでモダンな印象を演出
- 白やベージュ系の石を使用することでナチュラルな雰囲気を作る
- 石のサイズや形状もデザインに影響を与えます。
- 大きな岩をポイントに配置し、その周囲に小さめの石を敷き詰めることで、よりダイナミックな空間を作ることができます。

Ⅲ.石の役割
- 石は装飾のためだけでなく、機能面でも重要な役割を果たします。
- 雨が多い地域では、石を配置することで地面の水分を適度に調整し、植物の根腐れを防ぐ効果も期待できます。
- 砂利や砕石を敷くことで、雨が降った際の泥はねを防ぎ、庭全体を清潔に保つことができます。
- 石の下に防草シートを敷くことで、雑草の発生を抑え、手入れの手間を減らすことができます。
Ⅳ.視覚的アクセント
- 石を効果的に配置することで、視覚的なアクセントを加えることも可能です。
- 庭の一部に大きな岩を組み合わせることで、自然なランドマークを作ることができます。
- 飛び石を設置することで歩行の動線を作り、庭全体に奥行きを持たせることができます。

このように、ドライガーデンにおける石の選び方や配置にはさまざまな工夫が可能です。適切な石を選び、デザインのバランスを考えながら配置することで、美しさだけでなく機能性にも優れた庭を作ることができるでしょう。
最適な土の条件とは?

Ⅰ.土壌の基本配合
- ドライガーデンを成功させるためには、適切な土壌づくりが欠かせません。
- 水はけの良さが最も重要で、基本の配合としては
「赤玉土 6:腐葉土 2:軽石 2」が推奨されます。 - この比率は、水はけを良くしながらも適度な保水力を保つためにバランスが取れています。
- 日本のように四季の変化がある気候では、排水性と保水性の両方を兼ね備えた土壌を用意することが重要です。
Ⅱ.水はけの向上
- 水はけを向上させるために、庭の土壌が粘土質の場合は、軽石や砂利を混ぜて土を改良する必要があります。
- 粘土質の土は水分を保持しすぎるため、乾燥を好む植物にとっては根腐れの原因となります。
- 事前に土壌を耕し、しっかりと改良することが大切です。
- 土の上に砂利を敷くことで、見た目を整えながら雑草の発生を抑えることも可能です。
- 砂利には水はけを良くする効果もあり、雨の多い時期でも根が過湿になりにくくなります。
Ⅲ.施肥について
- ドライガーデンでは、過剰な肥料は不要です。
- 基本的に乾燥地帯の植物は栄養の少ない環境でも育つため、むしろ肥料を与えすぎると根が弱くなり、耐久性が低下する可能性があります。
- 窒素分が多すぎると、葉の成長が過剰になり、根が十分に発達しないことがあります。
- 植物に適した土壌を整えることが、長く美しいドライガーデンを維持するポイントとなります。
Ⅳ.土壌のpHバランス
- 土壌のpHバランスも重要な要素です。
- 多くのドライガーデン向けの植物は弱酸性から中性の土壌を好みますが、地域によってはアルカリ性に偏っていることもあるため、事前に土壌のpHを測定し、必要に応じて調整しましょう。
- 土壌が酸性に傾きすぎている場合は、苦土石灰を加えることでpHを調整できます。

Ⅴ.土壌の層工夫
- 土壌の層を工夫することで、より理想的な環境を作ることが可能です。
- 表層には砂利を敷き、中層には排水性の高い赤玉土や軽石、下層には粗い砂利や砕石を敷くことで、水の流れをスムーズにし、根腐れのリスクを軽減することができます。
- 多層構造の土壌を採用することで、ドライガーデンの維持がしやすくなります。
このように、適切な土壌づくりはドライガーデンの成功に直結します。植物の生育環境を最適に保つために、土の種類や配合、排水性、pHバランスを考慮しながら整備することが大切です。
これらの工夫を取り入れることで、より長期間にわたり美しく機能的なドライガーデンを楽しむことができるでしょう。
メリットとデメリットを解説

Ⅰ.ドライガーデンのメリット
ドライガーデンには、次のようなメリットがあります。
- 乾燥に強い植物を使用するため、水やりの頻度が少なくて済み、忙しい方でも管理がしやすい。
- 雑草が生えにくく、害虫の発生も少ないため、庭のメンテナンスにかかる時間を大幅に削減できます。
- 都市部では、水やりの手間を減らせるだけでなく、水資源を節約できるという環境面でのメリットもあります。
- 乾燥に強い植物は耐久性が高く、病気になりにくいため、頻繁に植え替える必要がない点も魅力の一つです。
Ⅱ.ドライガーデンのデザイン性
ドライガーデンはデザイン性が高いことも利点として挙げられます。
- 砂利や石を多用したモダンなデザインや、西海岸風のリゾート感を演出するデザインなど、好みに合わせた庭作りが可能です。
- ナチュラルな景観だけでなく、洗練されたスタイリッシュな庭を作ることができます。
- 日当たりの良い場所に適した植物を選ぶことで、植物の成長を促進し、美しい景観を維持しやすくなります。
Ⅲ.ドライガーデンのデメリット
一方次のような、いくつかのデメリットもあります。
- 植物の種類が限定されるため、多様な植物を楽しみたい方には物足りないかもしれません。
- 四季折々の花を楽しみたい場合は、ドライガーデンのシンプルな植栽がやや単調に感じられる可能性があります。
- 異なる質感の石や植物を組み合わせるなど、デザイン面での工夫が必要になります。
- 四季折々の花を楽しみたい場合は、ドライガーデンのシンプルな植栽がやや単調に感じられる可能性があります。
- トゲのある植物が多いため、小さなお子さんやペットがいる家庭では注意が必要です。
- サボテンやアガベなどの多肉植物は見た目が美しい反面、誤って触れるとケガをする可能性があります。
- 安全対策として、トゲの少ない植物を選んだり、通路から離れた場所に配置したりする工夫が求められます。
- サボテンやアガベなどの多肉植物は見た目が美しい反面、誤って触れるとケガをする可能性があります。
- 冬場の水やりや寒さ対策にも気を配る必要があります。
- 多くのドライガーデン向けの植物は寒さに弱いため、冬季に気温が氷点下まで下がる地域では、防寒対策が必要になります。
- 霜よけのために不織布をかぶせる、鉢植えの植物は屋内に移動させるなどの工夫が有効です。
- 冬場の水やりは極力控えめにし、土が完全に乾燥してから行うことが重要です。
- 多くのドライガーデン向けの植物は寒さに弱いため、冬季に気温が氷点下まで下がる地域では、防寒対策が必要になります。
このように、ドライガーデンには手入れの手間を省けるというメリットがある一方で、植物の選択肢や寒さ対策など、考慮すべき点もあります。しかし、適切な工夫をすることで、長期間美しい庭を維持しやすく、環境にも優しい庭づくりが可能となります。
ドライガーデンの作り方とメンテナンス
- 初心者向け!ドライガーデンの作り方
- 美しく見せるレイアウトのコツ
- 手入れ方法とポイント
- おすすめのデザインアイデア
- ドライガーデンを成功させるための注意点
初心者向け!ドライガーデンの作り方

Ⅰ.基本ポイント
ドライガーデンを作る際には、基本的なポイントを押さえておくことが大切です。
- 庭の環境を確認し、日当たりの良い場所を選びましょう。ドライガーデンの植物は乾燥を好むため、日照が不足すると成長が遅くなり、健康な状態を保てなくなる可能性があります。
- 強風の影響を受けやすい場所では、適切な防風対策を施すことで植物を守ることができます。
- 石積みやフェンスを活用すると、適度な風を遮ることができ、植物の成長を安定させることができます。
Ⅱ.土壌の準備
ドライガーデンに適した土壌は水はけの良いものが理想です。
- 市販の多肉植物用の土や、赤玉土・鹿沼土を混ぜた配合土を使用するのがおすすめです。
- 庭の水はけが悪い場合は、軽石や砂利を混ぜて改良し、排水性を向上させることが重要です。
- 排水性を高めるためには、庭の傾斜を工夫し、雨水がスムーズに流れるような設計を取り入れるのも効果的です。
Ⅲ.植物の配置
植物の配置を慎重に決めましょう。
- 背の高い植物を背景にし、低めの植物を前方に配置することで、自然な景観を演出できます。
- 石や砂利を活用し、植物とのコントラストを作ると、より魅力的なドライガーデンになります。
- 異なる質感や色合いの石を取り入れることで、奥行きのあるデザインを実現できます。
- 明るめの砂利と暗めの岩石を組み合わせることで、立体的で洗練された空間を作ることが可能です。
Ⅳ.水やりの頻度
最後に、水やりの頻度を調整しながら、植物が適応するのを待ちましょう。
- 植え付け直後は根を安定させるために少し多めに水を与えますが、その後は乾燥気味に管理し、根腐れを防ぐことが大切です。
- 夏場の水やりは早朝または夕方に行うことで、蒸発を防ぎ、植物への負担を軽減することができます。
- 雨が少ない季節には、霧吹きを使って葉に水を与えることで、適度な湿度を保つことが可能です。
Ⅴ.メンテナンス
ドライガーデンの維持には適度なメンテナンスも必要です。
- 枯れた葉や花が目立つと庭全体の印象が損なわれるため、定期的に剪定を行うことが推奨されます。
- 植物同士のスペースを適切に確保することで、風通しを良くし、病害虫の発生を防ぐことができます。
- 梅雨の時期には湿気がこもりやすいため、風通しの良い配置にすることで、植物の健康を保つことができるでしょう。
このように、ドライガーデンを作る際には環境の選定、土壌の準備、植物の配置、水やりの管理、さらにはメンテナンスの計画が重要になります。これらのポイントを意識することで、長期間にわたって美しいドライガーデンを維持することが可能になります。
美しく見せるレイアウトのコツ

Ⅰ.植物の配置
ドライガーデンを魅力的にするためには、植物の配置や素材の選び方に工夫を凝らすことが大切です。
- 植物の高さや形状を考慮し、バランスの取れた配置を心がけましょう。
- アガベやユッカなどの高さのある植物を中心に据え、周囲に低めの多肉植物やグランドカバーとなるセダムを配置すると、立体感のあるデザインが生まれます。
- 植物の色合いや質感にも注目し、緑だけでなく青みがかったものや赤みのある葉を組み合わせることで、庭全体に変化をもたらします。
- 植物の成長を考慮して配置することで、時間が経つにつれてより自然な雰囲気が生まれるでしょう。
Ⅱ.自然な風景を演出
石や砂利を活用することで、自然な風景を演出できます。
- ゴツゴツとした岩を配置すると、ワイルドで力強い雰囲気になります。
- 滑らかな白い石を敷くと、洗練されたモダンな印象に仕上がります。
- 異なる種類の石をバランスよく配置することで、単調さを防ぎ、奥行きのあるレイアウトを作ることができます。
- 石の配置には、大小のサイズを適度に組み合わせることがポイントです。
- 大きな岩をアクセントとして配置し、その周囲に小さめの石を散りばめることで、より自然な風景を演出できます。
- 砂利の色も考慮することで、庭の雰囲気を変えることが可能です。
- 明るい色の砂利を使えば開放感があり、暗めの砂利を使うと落ち着いた雰囲気が生まれます。
- 大きな岩をアクセントとして配置し、その周囲に小さめの石を散りばめることで、より自然な風景を演出できます。
Ⅲ.デザインは余白を意識
ドライガーデンのデザインでは「余白」を意識することも重要です。
- 植物を密集させすぎず、間隔を適度に開けることで、シンプルながらも洗練された空間を作り出せます。個々の植物の美しさが際立ち、より魅力的な庭になります。
- 空間に高さのあるオブジェクトを加えることで、より立体感を持たせることができます。
- 木製のトレリスや小さな岩の壁を設置すると、ドライガーデンのデザインにメリハリが生まれます。
- 庭のエッジを整えるために、レンガやコンクリートブロックを使って花壇の枠を作るのも一つの方法です。これにより、ガーデン全体のまとまりが生まれ、視覚的な美しさが向上します。
- 木製のトレリスや小さな岩の壁を設置すると、ドライガーデンのデザインにメリハリが生まれます。
このように、ドライガーデンを美しく見せるためには、植物の配置や色彩、石材の選び方に工夫を加え、空間に適度な「余白」を持たせることが重要です。細部までこだわることで、ナチュラルでありながら洗練された庭を作り出すことができるでしょう。
手入れ方法とポイント

ドライガーデンは一般的な庭より手間が少ないですが、適切な手入れをすることで美しい状態を長く保つことができます。
Ⅰ.雑草対策
- 雑草対策として、土の表面に砂利やマルチング材を敷くことをおすすめします。こうすることで、雑草の発生を抑えながら、見た目も整います。
- 雑草が根付くのを防ぐために、地面をしっかりと耕してから防草シートを敷くのも有効です。これにより、より長期間にわたって雑草の発生を抑えることができます。
Ⅱ.みずやり
- 水やりは必要最小限に抑えることが基本です。特に乾燥地帯の植物は過剰な水分を嫌うため、土が完全に乾いてから水を与えるようにしましょう。
- 冬場は植物が休眠するため、さらに水やりの頻度を減らすことがポイントです。特に寒冷地では、冬季に水が土の表面で凍結し、根にダメージを与えることがあるため、水やりの時間帯を午前中にするなど工夫が必要です。
- 雨の少ない地域では、土壌の乾燥を防ぐために、表面に保湿効果のあるマルチング材を追加するとよいでしょう。
- 枯れた葉や花があれば、こまめに取り除き、植物の健康を維持しましょう。特にアガベやユッカのような大型の植物は、古い葉が枯れても残ることがあるため、適宜剪定を行うことで美しい形を維持できます。
Ⅲ.害虫対策
- 害虫対策としては、植物を定期的に観察し、害虫が発生した場合は早めに駆除することが重要です。
- 乾燥を好む植物にはカイガラムシがつきやすいため、見つけたら専用の薬剤を使うか、ブラシでこすり落とすと効果的です。
- 害虫の発生を未然に防ぐためには、庭の通気性を良くし、枯れ葉やゴミを定期的に片付けることも大切です。
- 天敵となるテントウムシなどの昆虫を庭に引き寄せることで、自然な害虫駆除の仕組みを作ることも可能です。
- 成長しすぎた植物は適度に間引くことで、日当たりや風通しを確保し、病害虫の発生を防ぐことにもつながります。剪定後の葉や枝は、堆肥として再利用することで、環境に優しい庭づくりが可能になります。
Ⅳ.土壌チェック
- 土壌の状態を定期的にチェックし、必要に応じて土の改良を行うことも大切です。
- 土が固まりすぎている場合は軽石や砂を混ぜることで通気性を向上させ、逆に水はけが良すぎる場合は腐葉土を加えて保水力を向上させるといった工夫ができます。これにより、植物の根がしっかりと張り、健康な成長を促すことができます。
こうしたメンテナンスを習慣化することで、ドライガーデンは長期間にわたって美しい景観を維持できるだけでなく、より生態系に配慮した持続可能な庭として楽しむことができます。
おすすめのデザインアイデア
ドライガーデンのデザインにはさまざまなアイデアがありますが、目的や好みに応じたスタイルを選ぶことが大切です。
例えば、西海岸風のドライガーデンを作る場合、ヤシの木やアガベを中心に配置し、ホワイトグラベル(白い砂利)を敷くと、カリフォルニアらしい開放感のある雰囲気が生まれます。
さらに、テラコッタの鉢や流木を配置することで、よりリゾート感を演出することができます。また、海を感じさせる青系のタイルや装飾を取り入れることで、スタイリッシュかつ爽やかな雰囲気を作ることができます。

一方で、和風のドライガーデンを作りたい場合は、低めの岩や石庭の要素を取り入れ、控えめな色合いの砂利を使用すると、落ち着いた趣のある空間を演出できます。
さらに、枯山水のように白砂や砂紋を用いることで、より和の雰囲気を強調することが可能です。また、アカシアやオリーブを取り入れると、ナチュラルな雰囲気になり、どのような住宅にも調和しやすくなります。
日本庭園らしさを加えたい場合は、竹垣や小さな灯篭を設置するのも良いアイデアです。

都市部の限られたスペースでも楽しめるデザインとして、鉢植えを活用したドライガーデンがあります。コンテナガーデンの形でアガベやサボテンを配置すれば、バルコニーや玄関先でも気軽に楽しむことができます。
また、ウォールプランターを使うことで、縦の空間を活かしたドライガーデンを作ることも可能です。例えば、壁面に取り付けた木製パネルに小さな鉢を掛けることで、立体的な緑の演出ができます。

加えて、ナチュラルモダンなデザインを目指す場合、モノトーンの石やコンクリート素材を使用し、ミニマルな印象を演出することもできます。たとえば、黒やグレーの砂利を敷き詰め、直線的なレイアウトで植物を配置することで、洗練された都会的なドライガーデンを作ることができます。

このように、ドライガーデンのデザインは自由度が高く、工夫次第でさまざまなスタイルを実現できます。住宅の雰囲気や好みに合わせて、適したデザインを取り入れてみましょう。
ドライガーデンを成功させるための注意点
ドライガーデンを成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、植物の耐寒性を確認することが重要です。多くのドライガーデン向けの植物は寒さに弱いため、冬場に霜が降りる地域では寒冷対策を行う必要があります。
例えば、寒さに弱い品種は鉢植えにして移動させるか、不織布をかけることで保護できます。また、植栽スペースを南向きに設けたり、壁際に配置することで、寒さの影響を和らげることが可能です。
特に寒冷地では、地植えする場合にマルチングを施し、地温を保つことも効果的です。

さらに、ドライガーデンは一般的な庭よりもシンプルなデザインになりがちですが、適度にアクセントをつけることで、単調にならないように工夫することが必要です。
例えば、異なる種類の石を配置したり、色の異なる植物を組み合わせることで、視覚的なメリハリをつけることができます。
加えて、庭全体の構成を考え、曲線的なデザインを取り入れると、より動きのあるレイアウトになります。小道を作る場合も、直線ではなく緩やかなカーブを持たせることで、自然な雰囲気を演出できます。

また、ドライガーデンの魅力を高めるためには、照明の活用も効果的です。
例えば、ロックガーデンの石の間にLEDライトを設置すると、夜間でも幻想的な雰囲気を楽しむことができます。植物のシルエットを強調するようなライティングを取り入れることで、昼間とは異なる魅力を引き出すことができます。

さらに、ドライガーデンに適した植物をバランスよく配置することも重要です。例えば、背の高いユッカやアガベを背景に配置し、その手前に低めのセダムやアロエを植えることで、立体感のあるデザインになります。
グランドカバーには、乾燥に強いセダム系の植物を取り入れると、庭全体が統一感のあるデザインになります。また、シンボルツリーとしてオリーブを取り入れると、ナチュラルでエレガントな印象を与えることができます。

このようなポイントを意識することで、ドライガーデンをより魅力的にし、長く楽しむことができるでしょう。適切な植物の選定、石材や照明の活用、レイアウトの工夫を組み合わせることで、個性あふれるドライガーデンを作ることができます。
ドライガーデンの魅力と基本ポイントまとめ
最後にドライガーデンの魅力と基本ポイントついてまとめました。
- ドライガーデンは乾燥地帯の植物を主体とした庭のスタイル
- 砂利や石を多用し、アガベやユッカなどの乾燥に強い植物を配置する
- 水やりや手入れの手間が少なく、管理がしやすい
- 気候変動や節水意識の高まりとともに人気が拡大
- 雑草が生えにくく、メンテナンスの負担が軽減される
- 砂漠風や西海岸風、和風の枯山水など多様なデザインが可能
- 環境への配慮として水資源の節約や土壌の保護に貢献
- 直線的なレイアウトやモノトーンの石材でモダンな雰囲気を演出できる
- 乾燥に強い植物としてサボテン、アロエ、オリーブなどが適している
- みかも石、ブラウンロックなどの石材を組み合わせて景観を整える
- 土壌は水はけの良い配合にし、根腐れを防ぐ工夫が必要
- 手間がかからない反面、植物の種類が限られる点がデメリット
- 寒冷地では耐寒性を考慮し、冬の防寒対策が必要
- 石や植物の配置を工夫することで、立体感のあるデザインが可能
- シンプルながら洗練された庭を実現し、都市部にも適している
